おすすめ!!

皆さん、おはこんばんちは。シェヘラザードです。

今回は「伊藤悠」著の漫画『シュトヘル』をおすすめしたいと思います。

この漫画のテーマはずばり「文字」です。

私たちは当たり前のように字の読み書きができます。この漫画は、そんな字の読み書きが当たり前ではなかった13世紀初頭のモンゴルの話です。

このブログももちろん文字で成り立っています。それは私が字の読み書きができるし、今この記事を読んで下さっている方も同様だからです。

字の読み書きができることのありがたさに気づかせてくれる。そんな漫画のおすすめ紹介をします。

シュトヘルの出版情報

作者 伊藤悠

出版社 小学館 ビッグスピリッツコミックススペシャル

全14巻

全90話 完結

シュトヘルのあらすじ

現代を生きる高校生の少年須藤は、日々謎の戦火の夢を見て悩んでいました。そんな中仲間とのカラオケで知り合った転校生の少女鈴木と出会い、成り行きで家に連れていくことになります。須藤の実家は楽器の工房で、須藤が最近作った謎の弦楽器がありました。弦も張っていないその楽器を鈴木が弾くと、須藤は急に大雨の中にいました。首には縄が巻き付いていて服はなく体も女性のものでした。そして目の前には鈴木そっくりの少年がいて、少年は須藤のことをシュトヘル(悪霊)と呼びました。

訳もわからぬまま須藤達は敵に襲われますが、体が勝手に動きそれを一蹴します。その場から逃れた後に、少年はユルール(祝福)と名乗ります。そして記憶がなくなってしまっていると思った須藤に対して話を始めます・・・

時は13世紀初頭、蒙古(モンゴル)は西夏国(タングート)を侵略していました。西夏の学者は自分達の文字を後世に残すために、ツォグ族に西夏の娘イファを嫁がせます。そしてイファには玉の板に西夏の文字を刻んだ「玉音同」を持たせていました。

しかし蒙古に敗れてしまったツォグ族は蒙古の支配に置かれることを余儀なくされてしまいます。

そして蒙古は何故か執拗に西夏の文字をこの世から消し去ろうとしていているのでした・・・

シュトヘル(悪霊)

西夏人のウィソ(すずめ)と呼ばれていた女性は、戦争中に蒙古の配下であるツォグ族のハラバルに仲間を皆殺しにされてしまいます。その後死線をくぐりぬけて強靭な力をつけたウィソは蒙古とツォグ族ハラバルへの復讐のみに生きていきます。そしていつしか蒙古からシュトヘル(悪霊)と恐れられる女戦士になります。

ユルール(祝福)

シュトヘルの仇であるツォグ族ハラバルの弟。大ハン(蒙古皇帝)の血を引いており、大ハンと同じ目を持っています。育ての母である西夏人のイファに影響を受け西夏の文字に魅せられていきます。蒙古の支配下であるツォグ族の人間ながら、蒙古が消し去ろうとしている西夏文字(玉音同)を守る決意をし旅にでます。

シュトヘルとユルールの出会い

ユルールは旅の途中にシュトヘルと出会います。最初シュトヘルは仇であるハラバルを誘き出すための餌としてユルールと行動を共にします。しかしユルールに文字を教えてもらい、文字があれば自分が死んでも仲間のことをは消えないし伝えていけると知りユルールと打ち解けていきます。

そんな中ユルールを追ってきたハラバルとの闘いにシュトヘルは敗れてしまいます。そして絞首刑になり殺されてしまうのでした。

絞首刑の後に亡骸を葬る為ユルールはシュトヘルの元に向かいます。そこでユルールが目にしたのは須藤として蘇ったシュトヘルだったのです・・・

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シュトヘルおすすめ

絵の迫力とコマ割り

著者の伊藤悠さんですが、非常に迫力のある絵を描く人だと思います。それが13世紀の戦争中のモンゴルの雰囲気とあっていて、更に漫画を良いものにしていると思います。女性の漫画家さんですが、迫力もありつつ女性特有のやわらかさも持ち合わせている所がなお素晴らしい。

そして、更に感銘を受けたのがコマ割りです。

私は漫画が好きなだけで専門家でもなんでもないですが、この作者のコマ割りは読んでて凄いなと感じました。読みやすいし、緩急のつけ方や見開きのタイミングなど見事です。

文字に感謝

この漫画の大筋は、玉音同(西夏文字)を守る為のシュトヘルとユルールの旅を描いたものです。漫画のストーリーとして、文字を守るというのは私の中ではけっこう斬新でした。

人間の歴史が始まってからどれだけの文字が誕生してきたのかはわかりませんが、きっと物凄い数だと思います。そしてその中でも今なお使われているものはほんの一握りでしょう。

漫画はフィクションなんですが、方法はどうあれ文字を守ろうとしてきた人がいるのは確かなことです。日本語だけでなく、文字を守ってきたくださった先人達に感謝です。そして、文字の読み書きができることを、ありがたく思える漫画がシュトヘルです。

現代人と過去人が同じ体に!!

現代人である須藤と13世紀のシュトヘルがリンクしているのが、また面白い設定です。
文字を守ろうとする、過去のシュトヘル
文字を受け取る側の、現在の須藤
この二人を一つの体で描いた所が、この作品のミソかもしれません。

シュトヘルだけでも、須藤だけでも面白さは半減でしょう。

初めて文字に触れた人の衝撃!!

この漫画で私が一番感動したシーンは割と序盤に訪れます。

それはシュトヘルが文字と出会い、理解して涙するシーンです。

皆さんは初めて文字に触れた時のことを覚えていますか?私は初めて覚えた文字が何だったか思い出せません。たーぶーん、自分の名前だったでしょうくらいですwww

現在日本人は文字に関して特になにも感じないと思います。日本人なら義務教育で生きていくのに十分なだけの文字の勉強をしますし、日本語でない英語の勉強すらします。文字があるのが当たり前の世界で生きています

しかし、シュトヘルは違います。

時代は13世紀初頭です。当然文字はありますが、一般的なものではありません。何かを伝えようにも口頭伝達くらいしか手段をもたないのです。また口頭伝達ということは伝えられた人や伝えたい人が死んでしまえばそこでお終いです。

今の世の中は文字でなくても、写真やデータなど記録を残す手段は多くあります。

なにも記録や記憶、または伝えたいことを形にして残す手段がない人が文字に出会う衝撃は計り知れないものでしょう。

シュトヘルが得た衝撃や様々な想いを感じ、こちらも涙します。

シュトヘルのおすすめまとめ

おすすめのポイントは

絵の迫力とコマ割りが凄い

文字に感謝したくなる

現代人と過去人が同じ体にいる設定

初めて文字に触れた人の衝撃

です。

文字を守るシュトヘルとユルールの二人の旅の結果はどうなるのでしょうか・・・?

全14巻完結です。是非、読んでみて下さい。

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